2005年08月21日

ティモシー・ゴールウェイのコーチングメソッド

f131ea71.jpg現在、ビジネスの分野におけるマネジメント手法として、「コーチング」という手法が注目されているが、その最初のきっかけを作ったのが「ティモシー・ゴールウェイ」だといわれている。

ゴールウェイは、テニスの指導を通じて得られた洞察に基づき、画期的ともいわれるテニスの指導法を確立させ、その手法を「インナーゲーム」と名付けたのである。

このインナーゲームは後に「インナーゲーム オブ テニス」(邦題名:インナーゲーム)という1冊の書籍にまとめられ出版された。

この書籍は、テニスの指導書としてのみならず、各スポーツ、ビジネス、創造性開発、人間関係改善、子育てに至るまで、幅広い分野における指導書として広く参考にされているのである。ゴールウェイは、テニスの指導中に「人間が何かを意識すると、心や身体がぎこちなくなるのはなぜだろう」ということに疑問を抱いた。
そして、プレーヤーの心の中を洞察していった結果、ある一つのことを見出したのである。

それは、多くのプレーヤーは、必ず、1つ1つのプレーに対して、自ら心の中で指示やフィードバックを行なっているということである。

例えば、ボールを打つ前には「ボールから目を離さず、ラケットの中心でボールをとらえろ」というような指示を、そして、ボールを打ち終わった後には「こんな平凡なショットではダメだ!」というようなフィードバックをプレーヤー自らが行なっているのである。

そして、これらは、指導者が選手に対する指導の中で、日常的に行なわれている指示やフィードバックであることにも気づいたのである。

ゴールウェイは、選手が自ら心の中の行なっているこのような指示やフィードバックは、プレーの妨げになるのではないかと考え、また、このような状況を選手の心の中に作り上げてしまう指導はよくないのではないかと考えた。

多くのプレーヤーは、最高のプレーが出来たとき、「無心だった」という言葉を口にする。

しかし、これまで日常的に行なわれていた指導方法は、選手の心の中に、先に述べたような雑音(指示とフィードバック)を生み出し、選手が無心になることを妨げている原因になっているのである。

そこで、ゴールウェイは、選手の心の中の雑音(選手自らが行なう指示やフィードバック)を取り除き、無心にプレーできるようにするための方法を模索していった。

まず彼は、多くのプレーヤーにとってプレーの妨げとなっている、心の中でプレーヤー自らが行なう指示とフィードバックは、誰が誰に対して行なっているものなのかを考えた。

そして、ゴールウェイは、指示や命令を下している自分を「セルフ1」と名付け、指示や命令を受けている自分を「セルフ2」と名付けたのである。

「セルフ1」は、指導者が選手に向ける指示や命令、助言、評価といった、「外部の声」が、選手の中で内面化されたものであり、一方の「セルフ2」は選手自身である。

「セルフ2」はいわゆる本能や潜在能力といったものを持ち合わせているが、「セルフ1」はこれまでに与えられた「外部の声」が作り出したものであり、外部の声に基づく思考回路や能力しか持ち合わせていない。
いい換えると、外部環境によって形成された固定観念や苦手意識といったものである。

そして、このような「セルフ1」と「セルフ2」の関係が選手の最高のプレーを妨げる原因となっていることをゴールウェイは見出したのである。

例えば、外部環境によって「バックハンドショットが苦手だと」いうイメージが形成されてしまっている選手は、その方向にボールが飛んでくると「苦手なバックハンドだ、ラケットの中心でボールを捕らえるようにしなければ」と思い(=セルフ1)、セルフ2を制御してしまう。

結果として、スムースな身体の動きがとれず、案の定ミスをしてしまい、そのことがさらにセルフ1を大きくしてしまうのだ。

従って、プレーヤーに最高のプレーをさせるためには、セルフ1を静め、セルフ2が自由に力を発揮出来る状態を作り出してあげる必要があり、そのような指導を指導者は心がけなければならないのである。

このマインドこそが「コーチング」なのだ。
posted by NOGU at 07:32| Comment(0) | TrackBack(0) | コーチング情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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