2005年11月01日

持久性トレーニングによる骨格筋の適応について

a0a7dada.jpg持久性トレーニングによる最も顕著な筋の変化は、筋の代謝能力の変化、特に酸化的能力の増加である。

酸化的なATP再合成の場であるミトコンドリアは、その大きさと数の増加により含有量の増大がもたらされ、これに伴いミトコンドリア内の酵素タンパク質含有量の増加が引き起こされる。

そして、クエン酸合成酵素、コハク酸脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素(MDH)などのクレブス(TCA)回路と関係した酵素、脂肪の酸化能力の指標となるβ-ヒドロキシアル-CoA脱脱水素酵素、及び呼吸鎖と関係したチトクロームオキシダーゼなどの酵素の活性が増加する。酸化系酵素活性の増加の程度は、トレーニングの種類・強度によってそれぞれの筋繊維タイプで異なる。

中強度の持続的運動トレーニングでは酸化系酵素活性の増加はタイプU繊維よりもタイプT繊維の方が大きい一方、持久性トレーニングと同様に酸化的能力の向上を目的として行われる、より高強度の運動を用いたインターバルトレーニングではタイプU繊維の方がより大きな増加を示す。

解糖系酵素活性の変化では、糖に対する細胞の透過性の増加によるグルコース流入の増加と関連してヘキソキナーゼ活性が増加する。
しかしながら、グリコーゲンホスホリラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ(PFK)、乳酸脱水素酵素(LDH)といった他の解糖系酵素の活性は、トレーニングにより上昇、低下あるいは一定と報告により一致しておらず、変化したとしてもその変化量は酸化系酵素活性の増加率に比べてかなり小さい。

また、LDH同位体の変化では、持久性トレーニングにより骨格筋型同位酵素の減少と心筋型同位酵素の増加が認められている。
同時にクレアチンキナーゼ(CK)反応を触媒するクレアチンキナーゼの同位体も、骨格筋型(CK-MN)から心筋型(CK-MB)へ変化するとともに、ミトコンドリアCK活性の割合も増加する。

解糖により生成されたNADH(ニコチンアミドジヌクレオチドの還元型)から還元当量の輸送経路としては、グリセロリン酸シャトルとリンゴ酸-アスパラギン酸シャトルが考えられている。

8週間のトレーニングによって前者に関与する酵素活性は変化しないが、後者に関係するMDH及びアスパラギンン酸アミノトランスフェラーゼ活性は約50%の増加を示すことが報告されている。
これは解糖による乳酸生成を抑制する為の機構の一端を担うことになる。また、基質含有量の変化として、グリコーゲンやトリグリセリド含有量の増加が引き起こされる。
posted by NOGU at 09:26| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ医・科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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