2006年01月14日

梨状筋症候群とは

2816cea1.jpg近年、多くのランナーの「悩みの種」といわれる「梨状筋症候群」。

「症候群」という名がついていることからも分かる通り、梨状筋症候群は様々な症状を呈することが多く、その解消法、改善法については未だ確立されているとはいい切れない状況である。

実は、以前から私もこの利状筋症候群を抱えており、トライアスロンレースに頻繁に出場している頃は悩みの種であった。

そこで、今回はこの梨状筋症候群について簡単に考察してみたい。「梨状筋症候群」とは梨状筋の拘縮等によって坐骨神経が圧迫されることで生じる疾患であるとされている。主たる原因としては臀部打撲や股関節捻挫等の外傷によるものと、いわゆるスポーツ活動等に伴うオーバーユースによるものとに分けられる。

梨状筋症候群の症状は、臀部の痛みや足先まで放散する痛み、痺れ等であり、いわゆる(根性)坐骨神経痛と同じ症状を呈することが多いが、痛みや痺れ等がみられなくても歩行時における跛行や膝に力が入らなくなる等の症状を呈することもある。
また、同様の症状を呈する代表的な疾患に腰椎椎間板ヘルニアがあり、これらの症状との見極めが重要となる。

梨状筋症候群はレントゲン検査では異常所見を特に認めず、腰部レントゲン、MRI検査を含めた画像診断によって、症状の確定が行なわれる。さらには、梨状筋周囲に局所麻酔剤を施し、症状が改善されればその症状が確定される。

また、治療に際しては保存療法が原則とされ、医師からはスポーツ活動の中止ならびに安静が指示されることが多く、坑炎症剤や筋弛緩剤等が処方され、場合によっては神経ブロック療法も行なわれる。

以上が梨状筋症候群に関する情報であるが、上述の通り多くのランナーがこの梨状筋症候群に悩んでいるといっても過言ではない。

ランナーにおける梨状筋症候群は、いわゆるオーバーユースが原因であると考えられ、梨状筋のストレッチング等の対処が一般的であるが、これまでに私が関わってきたランナーの状態ならびに自分自身の経験を踏まえて考えれば、何らかの理由によって股関節外転筋の体重支持(骨盤支持)機能が低下することが原因であると考えられることから、梨状筋のストレッチングと共に片脚での体重支持(骨盤支持)機能を担う股関節外転筋の一つである中殿筋の強化が必要であると考えている。

片脚立位時における体重支持機能の低下は「トレンデレンブルグ症候」とも呼ばれ、「T-テスト」等と呼ばれている簡単なテストでチェックすることが可能であるが、スポーツ障害の予防・改善には「ダイナミックアライメント」という側面からもチェックすることが重要であると考えられ、「ダイナミックT-テスト」と呼ばれるテストと併せてチェックすることが望ましい。

ダイナミックT-テストにおいて、股関節外転筋の体重支持機能低下がみられた場合においては、足底アーチの沈み込み、骨盤の状態などもその原因であることが予想されることから、これらの状態を見極めた上で対処をすることが望ましいといえるだろう。

以上を整理すると、私が現段階で考える梨状筋症候群の改善方法は、
・梨状筋のストレッチング
・中殿筋の強化
・足底筋の強化
・骨盤のアライメント改善
となり、最終的にはランニング動作中の支持期における体重支持機能の改善・強化であるといえる。

しかしながら、ランニング動作中の支持期における体重支持機能の低下を引き起こす原因は、単純に上述した筋肉の筋力低下だけではなく、これら筋肉の神経支配が何らかの理由によって抑制されていることも考えられるため、より包括的な対処が必要になることはいうまでもない。
posted by NOGU at 21:23| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ医・科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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