2006年01月21日

ダイエットのうそホント!?〜サーキットトレーニング再考〜

7aa49d59.jpgさて、これまでの考察を通じて、「ダイエット=体脂肪を減少させること」と定義するならば、ダイエットを行なう上で最も重要な要素は骨格筋の脂質酸化能力を高めることであり、ダイエットを目的に行なう運動の意義は、消費エネルギーを増大させることではなく、骨格筋における脂質酸化能力を高めることあるという結論至った。

一般的には、運動の消費エネルギーばかりに目が向けられ、運動を行なうことで1日の消費エネルギーを増やすことがダイエットの基本として考えられているが、体脂肪を減少させるためには長時間にわたる運動が必要であり、必ずしも運動を行なったからといって体脂肪の減少がみられるとは限らない。

もちろん、運動による消費エネルギーの増大は余剰エネルギーの減少をもたらし、体脂肪の蓄積を防ぐことが可能であることは否定しようのない事実であるが、劇的な体脂肪の減少をもたらすことはないということを否定することは出来ないといえよう。古くから「運動だけでは効果的なダイエットが出来ない」といわれていることがそれを表しているといっても過言ではない。

また、食事制限だけによるダイエットも同様であり、食事制限をすることによって摂取エネルギーを抑えることは余剰エネルギーの減少をもたらし、体脂肪の蓄積を防ぐことが可能であるが、やはり劇的な体脂肪の減少をもたらすことは少ないということを否定することは出来ない。

古くから「食事制限だけによるダイエットは除脂肪体重の減少をもたらしリバウンドしやすい」といわれていることがそれを表しているといっても過言ではないだろう。

これらのことから、骨格筋の脂質酸化能力の向上がダイエットを行なう上で最も重要な要素となり、そのためには運動、厳密にいえば運動の継続、すなわちトレーニングが必要になるという訳だ。

つまり、トレーニングによって身体機能の改善を行なうことがダイエットには重要であり、その改善すべき身体機能が骨格筋における脂質酸化能力の向上、いい換えれば骨格筋におけるミトコンドリア容量の増大であるということである。

さて、前回は骨格筋におけるミトコンドリア容量を増大させるためのトレーニングとしてサーキットトレーニングが最適である可能性が高いことをお伝えしたが、サーキットトレーニングが骨格筋のミトコンドリア容量増大に及ぼす影響については明らかにされていない部分も多い。

しかしながら、トレーニングよる身体の適応から考えればその可能性を否定することは出来ないといえよう。

そこで、今回はサーキットトレーニングが骨格筋におけるミトコンドリア容量増大に及ぼす影響について推論してみたい。

まず、ミトコンドリア容量を増大させるためには低強度・長時間運動ではなく短時間で比較的強度の高い運動の方が効果的であることは前回お伝えした通りであるが、サーキットトレーニングは有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせたトレーニングであり、一般的な有酸素運動よりも運動強度は高くなる可能性が高いことから、ミトコンドリア容量増大効果の高い運動であることが予想される。

ところで、我々の骨格筋は大きく遅筋線維と速筋線維に分けることが出来るのだが、速筋線維はさらに2つのタイプに分けることが出来る。
つまり、骨格筋は遅筋線維であるタイプT線維、速筋線維ではあるが遅筋線維としての機能をも持つタイプUa線維、速筋線維であるタイプUb線維の3つに分類することが可能となる訳だ。

そして、タイプT線維、タイプUa線維、タイプUb線維の順でミトコンドリア容量が少なくなる。

前回もお伝えした通りであるが、人間の骨格筋における遅筋線維と速筋線維の占める割合は遺伝的に決定されており、先天的に遅筋線維の割合が多い人は先天的に脂質酸化能力に優れていることになり体脂肪が蓄積し難く、何らかの理由によって体脂肪が蓄積したとしても簡単な方法で体脂肪を減少させることが可能であると考えられ、一方で、先天的に速筋線維の割合が多い人は脂質酸化能力に劣り、体脂肪が蓄積しやすく体脂肪減少効果も得られ難いことが予想される。

そして、そのことが様々なダイエット方法に対する効果の個人差になっているのかもしれないのだが・・・

少し話がそれたが、上述の通り遅筋線維と速筋線維の占める割合は遺伝的に決定されており、その比率を変えることは出来ないといわれていることから、速筋線維の占める割合が高い人はミトコンドリア容量をそれほど増大させることは出来ないのではと考える人もいるかもしれないが、必ずしもその通りでない。

なぜなら・・・

これまでの数多くの先行研究の結果からトレーニングよってタイプUb線維をタイプUa線維に変えることが可能であることが明らかにされており、このタイプ移行はあらゆるトレーニングにおいて共通の適応であるとされている。

つまり、有酸素運動でも筋力トレーニングでも、そのトレーニング量に伴いタイプUb線維がタイプUa線維に変化するのである。

上述の通り、遅筋線維よりも速筋線維におけるミトコンドリア容量は少ないが、タイプUb線維よりもタイプUa線維の方がミトコンドリア容量は多い。

これらのことから、先天的に速筋線維が多い人でも何らかのトレーニングを行なうことでタイプUa線維の比率を増やせば充分にミトコンドリア容量を増大させることが可能なのである。

基本的には有酸素運動でも筋力トレーニングでもタイプUa線維の比率を増加させることが可能である訳だが、前述の通り、ミトコンドリア容量を増大させるためには短時間で強度の高い運動の方が効果的であるという点を踏まえるならば、有酸素運動よりも筋力トレーニングの方が、ミトコンドリア容量増大効果が高いことが予想される。

しかしながら、筋力トレーニングによる筋線維タイプ移行はトレーニング強度でなくトレーニング量に依存する可能性が高いことが示唆されている点を踏まえると、筋力トレーニング量を増やすという点では、シンプルな筋力トレーニングよりもサーキットトレーニングの方が有効であると考えられるのである。

特に、トレーニング経験の少ない人においてはシンプルな筋力トレーニングよりもサーキットトレーニングの方がトレーニング量を増加させることが容易であるといえるだろう。

なぜなら、サーキットトレーニングは有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせたトレーニング方法であり、レストを入れずに有酸素運動と筋力トレーニングを繰り返すことで必然的に筋力トレーニング量を増加させることが可能となるからである。

これらのことから、サーキットトレーニングは骨格筋のミトコンドリア容量増大効果の高いトレーニングであることが予想される訳である。
posted by NOGU at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ダイエット情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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