2006年01月23日

ダイエットのうそホント!?〜基礎代謝を上げることの意義〜

b9d3101a.jpg前回は、運動することによる「消費エネルギーの増大」が、体脂肪減少に及ぼす影響について考察、推論するために、ダイエットのための運動として古くから推奨されているウォーキングの体脂肪減少効果について考察、推論させて頂いた。

そして、ウォーキングは体脂肪を減少させる上で、非常に非効率な運動であるという結論に至った訳だが、繰り返し何度もいう通り、ウォーキングの体脂肪減少効果を否定している訳ではない。

いい換えれば、ウォーキングによって体脂肪を減少させるためには非常に多くの時間、期間が必要になるということである。ただし、ウォーキングを行なうことによって体脂肪を蓄積することを防ぐことは可能となり、そのような側面では、ウォーキングの持つ意義は非常に大きいといえよう。

さて、近年、ウォーキングと共にダイエットのための運動として注目を浴びているのが、いわゆる「筋力トレーニング」である。

筋力トレーニングを行なうことによって筋肉量を増加させ基礎代謝を高めることで効果的なダイエットを行なうというのが、その考えの中心であるが、筋力トレーニングが体脂肪減少にどのような影響を及ぼすのか、あまり言及されていないようにも見受けられる。

そこで、今回は筋力トレーニングによる基礎代謝の向上が体脂肪減少に及ぼす影響について考察、推論してみたいと思う。

まず、基礎代謝の向上が体脂肪減少に及ぼす影響について考察、推論する前に、基礎代謝について整理しておきたい。

基礎代謝(BM=basal metabolism)とは、心臓を動かしたり、呼吸をしたり、体温を維持する、といった生命を維持するために必要とされるエネルギーであり、いい換えれば「生きていく上で必要とされる最低限のエネルギー」のことを指す。

つまり、基礎代謝量は寝ている時にも消費されているエネルギーであるといえる訳だが、1日の総消費エネルギー量は、この基礎代謝量に生活活動代謝量(労働やその他の活動)とDIT(食事誘導性体熱産生)を足したものとなり、通常では、1日の総消費エネルギー量のうち、約70%が基礎代謝量であるといわれている。

そして、基礎代謝として消費されるエネルギーのほとんどは筋肉で消費されるエネルギーであるといわれており、基礎代謝量の40%程度を占めるといわれている。

すなわち、基礎代謝量は筋肉量にある程度依存し、筋肉量が多い人ほど基礎代謝が高いといわれているのはこのような理由によるものである。

前述の通り、基礎代謝は1日の総消費エネルギー量の約70%を占めることから、最近では、基礎代謝を高めることで余剰エネルギーを減少させれば、効率的なダイエットが可能となるといわれている。

そして、基礎代謝量は筋肉量に依存することから、筋肉量を増やすための筋力トレーニングがダイエットのための運動として推奨されるに至ったのである。

筋力トレーニングは室内でも実施できることや、それ程長い時間をかけて行なう必要性がないということを理由に、いつでもどこでも出来る運動しても注目されているようであるが、基礎代謝量を増やすためには筋肉量を増やす必要性があり、そのためにはそれなりのトレーニングが必要となり、それは誰もが簡単に出来るトレーニングではないともいえるのである。

海外の文献では、除脂肪体重1ポンド当たりの基礎代謝量が14kcal程度であるとされているものがあるが、除脂肪体重とは脂肪を除く体重であり成人において除脂肪体重を増減させる要素は筋肉だけとなることから考えれば、筋肉量を1ポンド増やすことで基礎代謝量胃が約14kcal向上することになる。

つまり、筋肉量を1kg増やすことによって、基礎代謝量が約28kcal向上することになる訳だが、特に女性にとっては筋肉量を増やすことに対する抵抗が少ない訳ではない。

近年でこそ、女性における筋力トレーニングの認知度は高まりつつあるが、それでも尚、あまり筋肉量を増やしたくないと考える女性も多く、そのような女性に対しては、ホルモンの関係や男性に比べて絶対的な筋肉量が多くないといったことを理由に「男性ほど筋肉量が増えることはない」というようなアドバイスが行なわれるケースが多い。

しかしながら、筋肉量が増えなければ理論的に基礎代謝が増えることはなく、そのような側面から考えれば矛盾が生じることになる。

もちろん、最近増加傾向にあるという低体温症は基礎代謝を低下させることがしられており、そのような人が筋力トレーニングを行なうことによる何らかの作用によって(例えば自律神経機能の改善等)低体温症が改善されれば筋肉量の増加がみられなくとも基礎代謝量は向上することになるが・・・

この矛盾点の解明については後程、考察、推論させて頂くが、いずれにしても筋肉量が増加すれば基礎代謝量が高くなることは疑いようのない事実である。

では、筋肉量を増加させ基礎代謝量を向上させることは一体どのような影響をダイエットに及ぼすのだろうか?

まず、第一に筋肉量が増加すれば、それだけ余剰エネルギーの減少に結びつき、体脂肪の蓄積を防ぐことが可能となる。

我々が食事を摂取した際に上昇する血糖は、インスリンの作用等によって筋肉等に取り込まれるが、筋肉等に取り込まれなかった血糖は全て中性脂肪となり脂肪組織に蓄積されることになる。

従って、筋肉量が増加すれば取り込まれる血糖も多くなり、それだけ余剰となる血糖が少なくなり必然的に体脂肪の蓄積を予防することが可能となる。

また、筋肉量が多ければ、何らかの理由によって血中の遊離脂肪酸が増加した時、より多くの脂肪酸をエネルギー源として利用することが出来る可能性が高く、体脂肪の減少が可能となる。

これらのことから、ただ単に筋力トレーニングによって筋肉量を増加させ基礎代謝量を向上させても体脂肪の蓄積を予防することは出来るが、体脂肪を減少させる可能性が少ないこと、そして、筋肉量を増加させた状態で、何らかの作用によって血中の遊離脂肪酸を増加させれば体脂肪の減少がみられることが推察される。

血中の遊離脂肪酸を増加させるためには、食事のコントロール等によってエネルギー源が絶対的に不足した状態を引き起こすか、体脂肪を分解させる作用のあるサプリメントの摂取、体脂肪を分解させる作用のある方法等が必要となり、これらの方法等を筋力トレーニングと組み合わせることで体脂肪を減少させる効果が高くなると考えられる。

このことを直接的に立証することにはならないと考えられるのだが、食事のコントロールと組み合わせることで最も体脂肪減少効果が高い運動(様式)は、筋力トレーニングであることが先行研究で報告されている。

いずれにしても、筋力トレーニングは、食事のコントロール等、体脂肪の分解を促進する方法と併用することで、体脂肪減少効果が得られる可能性が高いといえよう。

以上を整理すると、基礎代謝量を向上させることで体脂肪の蓄積を予防することが可能となるが、体脂肪を減少させるという側面においては基礎代謝を向上させると共に食事のコントロール等を行なう必要性があることが考えられる。

さて、上述したように、ダイエットのための筋力トレーニングの目的は、筋肉量を増加させ基礎代謝を向上させることにある訳だが、特に女性は筋肉量を増加させることに対して全く抵抗がないとはいえず、ダイエットにおける筋力トレーニングの目的については更なる検討が必要ではないかと個人的には考えている。

前述したが、女性はホルモンの影響や絶対的な筋肉量の違いなどから男性よりも筋肉量の増加はみられにくいといわれているが、基礎代謝量は筋肉量に依存することから筋肉量が増加しなければ基礎代謝量の向上はみられず、そこには若干の矛盾が生じるように感じる。

しかしながら、前回までに考察、推論したように速筋線維のうちタイプUb線維は、いかなるトレーニングよってもタイプUa線維にタイプ移行することがしられていることから考えれば、筋力トレーニングによってタイプUa線維の比率を増やすことが可能であれば骨格筋のミトコンドリア容量も増加し脂質酸化能力の向上が期待できることになる。

筋線維組成(遅筋線維と速筋線維の割合)には個人差がみられるが、筋力トレーニングによってタイプUa線維の比率を増やすことは、全ての人におけるダイエットによい影響を及ぼすことになるといえよう。

従って、ダイエットにおける筋力トレーニングの目的は、(特に女性においては)骨格筋のタイプUa線維の比率を増やし骨格筋の脂質酸化能力を向上させることにあり、食事のコントロール等と併用することで体脂肪の減少効果が得られる可能性が高いと考えられる。
もちろん、筋肉量を増加させることもその目的として重要であることはいうまでもないが・・・

ところで、ダイエットにおける筋力トレーニングの目的の一つに、「気なる部位の引き締め効果」が挙げられることが多いのであるが、果たしてその真意はいかなるものなのであろうか?

これまでの私の指導経験からすれば、筋力トレーニングによる局所的な体脂肪減少がみられることも多いといえる。

局所的な体脂肪分解促進方法は、賛否両論あるが、その可能性は否定できないことは既にお伝えした通りである。

果たして筋力トレーニングにもそのような局所的な体脂肪分解促進効果があるのだろうか?

この件については、更なる検討が必要であるといえよう。
追って調査を続けてみたい・・・
posted by NOGU at 13:53| Comment(0) | TrackBack(0) | ダイエット情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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