2006年04月13日

ACTN3遺伝子検査とは・・・

0ebd8db4.jpg先日のエントリーにおいて、競技パフォーマンスを高める上では、アスリートの先天的資質を把握した上で、その資質を最大限に活かすようなトレーニングプログラムを構築する必要があると説明させて頂いた。

そして、その先天的資質の代表例である「筋線維組成」を把握する方法について解説させて頂いたが、筋線維組成を把握する方法は高価な設備や高度な技術を必要とすることから、誰もが手軽に行なえるものではないというデメリットが存在する。

しかしながら、競技パフォーマンスを高める上でアスリートの筋線維組成を把握することは必要不可欠な要素であるといえることから、より簡便でアスリートに負担をかけない方法の確立が急務になるといえよう。最近になり、主として速筋線維中に発現するACTN3遺伝子が人間の筋力発揮特性に関係する遺伝子であることが明らかにされ、ACTN3遺伝子を検査することで、ある程度、人の筋線維組成を把握することが出来る可能性があることが示唆されている。

もちろん厳密いえば、ACTN3遺伝子を検査するだけで筋線維組成を断定することは出来ないのだが(最近ではACTN3遺伝子のタイプと筋線維組成との間に有意な相関関係があることも報告されているが・・・)、少なくともその人の筋肉がどのような筋力発揮特性を持っているか、そして、それはどのような競技種目に有利となるかを推定することが可能となる。

ACTN3遺伝子は、主に骨格筋の速筋線維中に発現し「α-actinin-3」と呼ばれるタンパク質を造る働きを担っているのだが、ACTN3遺伝子には「α-actinin-3」の生成を停止させる変異体(R577X)を持つタイプが存在することが報告されており、それは以下の3つのパターンに分類されるとされている。

・変異体(R577X)のコピーだけしか持たないXX型
・変異体(R577X)を1個も持たないRR型
・変異体(R577X)のコピーを1個持つRX型

そして、それぞれのタイプには以下の特性があることが明らかにされている。

XXタイプ
マラソン競技、陸上長距離競技、クロスカントリースキー、水泳ディスタンス系競技、自転車ロード競技などの持久系競技において有利な特性を持つ。

RRタイプ
スピードスケート、柔道、陸上短距離競技、水泳スプリント競技・自転車トラック競技などのようなスピード/パワー系競技において有利な特性を持つ。

RXタイプ
スピード/パワー系競技、持久系競技のいずれにおいても有利特性を持つ。
女性エリートアスリートではスプリント/パワー系競技に有利な特性を持つといわれている。

これらのことから、ACTN3遺伝子検査による筋力発揮特性の把握はアスリートにとって有益な情報になると共に、スポーツタレント発掘に有益な情報をもたらすことになるといえよう。
posted by NOGU at 12:46| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ医・科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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