2006年04月17日

球技スポーツにおけるフィジカルトレーニング

7e3d6d88.jpg球技スポーツでは低強度運動と高強度運動を何度も反復する能力が必要となり、そのフィジカルトレーニングは、間欠的なハイパワー発揮能力の向上を主目的に実施されるべきである。

そして、間欠的なハイパワー発揮能力は、無酸素的エネルギー供給能力と有酸素的エネルギー供給能力の相互作用によって決定される能力であると考えられていることから無気的能力と有気的能力の双方を高めることが必要であるいえよう。

このことは、アスリートの筋線維組成を調査した研究において、球技スポーツにおけるアスリートの遅筋線維と速筋線維の比率がほぼ同じであることからも理解することが出来る。しかし、人間の筋線維組成は遺伝的要因の影響を受けることから、筋線維組成によってもたらされる無気的能力と有気的能力の優劣は個人差が生じやすく、間欠的なハイパワー発揮能力を向上させるためには、選手個々の筋線維組成や体力特性に合わせたフィジカルトレーニングを行なう必要があるといえる。

いい換えれば、有気的能力に優れた体力特性を持つ選手と無気的能力に優れた体力特性を持つ選手は、トレーニング課題・目標が異なるということになり、有気的能力に優れた特性を持つ選手は有気的能力を低下させることなく無気的能力を向上させることを、無気的能力に優れた特性を持つ選手は無気的能力を低下させることなく有気的能力を向上させることを目的としたフィジカルトレーニングを行なう必要があるといえる訳だ。

従って、球技スポーツにおけるフィジカルトレーニングもトレーニングの原則の一つである個別性の原則に基づき個別に行なうことが望ましいが、球技スポーツにおけるフィジカルトレーニングは、チーム全体で実施されることが多く、個別性の原則を適用することが難しいといえる。

また一方で、チーム全員に対して厳密に個別性の原則を適用し個別にトレーニングプログラムを処方することは現実的ではない。

そこで、まずは競技特性に基づくフィジカルフィットネスチェックを実施し、選手個々の体力特性を見極めた上で、選手をいくつかのグループに分類し、グループ別にトレーニングプログラムを処方することが適切であるといえる。

ところで、一般的なフィジカルトレーニングの方法・手段として漸進性の原則に基づき、低強度多量のトレーニングによって有気的能力を向上させた上で、高強度少量のトレーニングに移行し無気的能力を向上させる方法があるが、間欠的なハイパワー発揮能力を高める方法としては不適切であることが先行研究によって示唆されている。

その理由としては、無気的能力を向上させるためのフィジカルトレーニングが絶対的に不足しやすいこと、有気的能力を向上させるトレーニングのマイナス効果(タイプU線維の直径を減少させること、解糖系酵素活性が低下すること)が生じ易いことが挙げられている。

これらのことから、チーム全体に同一なトレーニングプログラムを処方することは、球技スポーツのパフォーマンスを向上させる上では、不適切であるといえよう。
posted by NOGU at 08:39| Comment(1) | TrackBack(0) | トレーニング情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。関西でパーソナルトレーナーではなくジムスタッフとしてフィットネスクラブで勤務している者です。まだまだ未熟ものですが、自分のスタッフとしての質の向上、またお客様に素晴らしいご案内ができるために日々勉強中です。将来のフィットネスクラブを変えていきたいと勝手ながら思っています。少しですが拝見させていただきました。すごく勉強になりました。下現在はどこでトレーナー活動をされているのですか?
もし、よろしければ教えていただいてもよろしいでしょうか?
ちなみに私は人に恵まれており、関西でトレーナー活動されている方と色んな情報交換していただいているので、また是非情報交換できれば幸いです。
長々と失礼致しました。
Posted by sawatari at 2006年05月04日 01:40
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