2006年08月17日

鍼療法の科学的根拠

90104b6e.jpg中国を発祥とする伝統的な鍼療法では、「経絡(けいらく)」という考え方に基づき(例えば)足の小指に鍼をうつことによって眼症状が回復するとしているが、これまで、このような考え方に対して西洋医学界は充分な理解を示していなかった。

しかしながら、最近になり鍼療法に関する多くの科学的(というより、ここでは「西洋医学的」といった方がよいかもしれないが・・・)根拠が明らかにされている。

西洋医学でも十分な経験を積んだ鍼師であるLixing Lao博士(米メリーランド大学統合医学センター)は、脳の活動を画像化するファンクショナルMRI(fMRI)を用いて、足指に鍼療法を行うことにより脳内の視覚皮質の活性が高まることを明らかにしているが、最近になりアメリカでは、専門家による包括的な文献の見直しに基づいて、鍼療法が医学療法との併用療法や代替療法として広範囲にわたる症状緩和に妥当な治療法であるとの見解が示されている。そして、鍼療法の対象となる症状として、喘息、手根管症候群、線維筋痛、頭痛、腰痛、月経痛、顔面筋疼痛、変形性関節症、等が挙げられるほか脳疾患リハビリテーションにも有用であることが認められている。

このような背景の中アメリカでは、患者のみならず医師もが鍼療法に注目することになったという。

ところで、鍼療法の重要な作用機序としては次の4つの点が挙げられている。

・鎮痛作用を有するエンドルフィンを放出させる。
・血行を改善する。
・抗炎症効果がある。
・心拍数を改善する。

鍼療法によって必ずしも、西洋医学の薬物療法と同程度の疼痛や症状の緩和が得られる訳ではないが、鍼療法には基本的に副作用がないことから長期にわたって安全に実施することが出来るのが最大のメリットである。

上述したLao博士によると、薬物療法と鍼療法の差はその作用機序にあり「鍼療法は症状に対処するのみならず、基礎的な原因にも対処する療法である」と述べているが「鍼療法が身体機能を高める」ことを示すさらなる根拠が明らかにされることが今後の課題であるといえよう。
posted by NOGU at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ医・科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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